Appleの買収戦略
Appleは主力製品の改良のため、多くの企業を買収している。
例えばiPhoneX以降に搭載された顔認証システムや決済機能ApplePayは買収された企業の技術が集結したものだ。Appleはコロナ渦でも30兆円の資金力を使って企業の合併や買収を加速させている。
買収から見える企業戦略
Appleは買収から数年で買収した企業が専門としてきた製品を自社製品と統合させている。最も大きな買収案件は、オーディオ機器を取り扱うビーツ・エレクトロニクスだ。
2014年、当時のAppleは音楽販売の巨人と言われていた、実際にiTunesやiPodシリーズなどオーディオ関連のヒット商品を世の中に送りだしていた。ただSpotifyなどのストリーミングサービスを手がける新興企業によってAppleのオーディオ製品は昔のものとなっていった。そのことに危機感をもった経営陣が30億ドルでオーディオ機器や定額音楽サービスを手がけるビーツ・エレクトロニクスを買収、それによりビーツ・エレクトロニクスの幹部を獲得、Air PodsやApple Musicを作り出すきっかけとなった。
1978年イギリスのレコード会社Appleに商標権侵害に関する訴訟を米Appleに対して起こした。
1981年に米Appleが8万ドルを英Appleに支払い、米Appleは音楽事業に参入しないこと、英Appleはコンピューター事業に参入しないことで和解したが、1989年に米Appleが合意を違反する。最終的には2007年に米Appleが英Appleの商標権を5億ドルで買い取った。
最近の買収案件で話題になったのはIntelのスマホ向けモデムチップ事業の買収だ。
買収金額は10億ドルで、二番目に規模の大きな買収だった。
これによりIntelの従業員およそ2200人と重要な特許を獲得し、5G開発を強化した。
今後の買収戦略
Appleの主な買収先は計70億ドルを超える。この買収先はAppleにとって重要な製品の一部となっている。
Appleはハードウェアからサービスへ転換をしようと様々なサービスを生み出してきた。だが、そのどれもが世界的ヒットとは言えない状況にある。大型買収案件が話題になるのも時間の問題ではないだろうか。
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